出会いと別れ
職場に「期間従業員」というポジションの一定期間だけ
働いてくれる派遣社員的な人が何人かおった。
最低で半年間、最高で3年で卒業(辞めて)していく。
だから、次々に新しい人との出会いや別れがあった。
俺は、仲良くしてくれた期間の人との別れが
あまりにも寂しくて悲しくて、最後の出勤のときにはいつも辛かった。
仲良くなってお互いの事知れて、もっと一緒に働きたいのに、なんでおらんくなるの?
ずっと一緒に働こうよ!って思っとった。
14年後に俺をぶん投げてくれた大先輩とまだ話せたときに、
その先輩は卒業していく期間の人に対して、感情が全くないように感じた。
「なんで◯◯さんと最後の日やのに、そんなに平気なんですか?」
と、聞くと即答してくれやんだ。
翌日、
「神田ー、昨日の事やけどさー、この先の未来自分と関わらんし、
◯◯にはまた新しい人生があると思っとるしさ。」
めっちゃ冷静な顔をして、俺に言った。
あまりにもショッキングやった。
「まじでなんやこの人!!
考えられやん、まじでヒク!!」
ずっと、その先輩を好きになれやんなーと思った理由が、
この瞬間でハッキリとした気がした。
何でそんな事思うんやろ?
俺は絶対こうはなりたくない!
って強く思った。
最近、銭湯から卒業していく利用者さんが続出しとる。
今、その後ろ姿を見て悲しいとか寂しいって思わん。頑張れよ!いつでも帰ってこいよーって思う。
職場を卒業していく仲間と、こころの銭湯を卒業していく利用者さんは何か違う?
何も違わんと思う。
俺を投げた先輩(しつこいし根に持っとる)が言ったことを俺も思う。
これからの未来に関わりが無いとか、そんなあいつみたいな寂しいことは思わんけど、それに近いことは思う。
今はこう思う。
別れには意味があるもの。
出会いには、意味があって全部を学びきった時に、新しい人との繋がり生まれるんやと思う。
恋愛や友情みたいな割と深めの関係の場所やと、それを頭で分かっとっても整理するまでに時間は掛かるけど、それも同じ。
全ての繋がりが必然で、運命的で、意味があると思ったら、今を感謝してその人と居られる。
銭湯をでて羽ばたく勇敢な戦士たち!!
俺はずっと応援しとるぞ!
見守っとるでなー、ボロボロになったらいつでも帰ってこいよ!
「ボロボロになりました!」
はやい!甘えるな!もっと頑張れ!