加護亜依を見に行って、異空間を感じた話
加護亜衣を見に行って異空間を感じた話
アイドルに目覚めたのは、中学校のときやった。
今までは「女の人が好き」っていうのを隠してきたけど、青年期に入って表に出しても"当たり前"の空気になってきて居心地が良かった。
小学生の時から"超"がつくほど恋愛体質で、頭の中はいっつも好きな人のことばっかり。
(次の休み時間に教室に顔見に行こ)
話しかける勇気もない癖に、その人と同じ空間におることで胸がドキドキしとった。
当時誰も女の人の話をしやんだけど、友達の家に泊まりに行った夜は、勇気をだして「好きな人おらんの?」って聞いたりしとった。
「おらん」「わからん」と言って恥ずかしがるガキ共を相手に、なんとかして恋の話をしようと必死やった。
そんな恋愛レボリューション21の僕が、中学校の時に友達の影響でモーニング娘を好きになった。
今までと違ってモー娘。の◯◯が好き。可愛い。
それを声に出して言うようになってきた。
本当はリアルの好きな人の話をしたいのが山々やけど、
テレビの中の人の女性に興味を持ち始めただけで偉い!
俺は感動した!
俺が好きやったのは加護亜衣ちゃん。
あいぼんっていうあだ名。
商店街にある文学堂っていう文房具屋さんに置いてあるモー娘。の1枚100円のポストカードを、自分の部屋の柱に貼りまくった!
ちょっと高いけど小遣いでCDも買った!
その買ったCDを聴きながらポストカードを見て(あいぼんと結婚できたらどんな感じなんやろう?)
絶対叶わん妄想を広げてなぜか寂しくなっとった気がする。
そんな妄想と想像を広げる中、モー娘。
オタク仲間の友達から「一緒にポップジャム観に行かん?」と誘われた。
ポップジャムはNHKの歌番組?
その時に加護亜衣ちゃんらのユニット"ミニモニ"が出演するらしい。
ほんまに興奮して二つ返事で行くことを決めた??
今まで見たことがなかったポップジャムを予習してみたり、友達にいきなり断られやんように全力で媚びを売っといた。
当日友達のおかんの車に乗せられ、なんたらホールに向かった。
(俺、今から加護ちゃんに会える)嬉しいような悲しいような気持ちやった。
だって今までずっと俺の部屋におった加護ちゃんが、今からみんなの前で歌って踊る。みんなの前で電話もする。
ミニモニテレフォンだ♫リンリンリン♫
みんなの中の俺。加護ちゃんにとっても俺はその中の1人。
ちっぽけになりそうで寂しかった。
誰かよう分からんアーティストがででくる中、ようやく登場してきたミニモニ??
(ヤバい・・まじでかわ・・見えやん・・・)
小さくて何にも見えやん!!!
でもマイクで声が聞こえる!
あんなに小さいのにすっごい大きい声!そして可愛い声!!
そしてなによりも・・
(加護ちゃんと同じ空気吸っとる・・??)
空気で間接キスできた。
それが俺の幸せやった!
アイドルと同じ空間におれただけで、電撃が落ちるほどの衝撃が、頭のてっぺんから指のつま先まで痺れ渡った⚡️
「手の届かない恋」
それが俺にとっての永遠のテーマなのかもしれやん。
ミニモニテレフォンだ・・
リン・・リン・・凛。。?