【新美カウンセラー】「仕事を任せるのが難しい理由」

企業様研修で、
よく、こんな声をとても多く聞きます。

 

 

「部下に仕事を任せたいけれど、うまく引き継げない」

 

 

「任せるとミスが増えそうで怖い」

 

 

「結局、自分でやった方が早いと思ってしまう」

 

 

”部下に仕事を任せたいんですけど…正直、難しくて”

 

 

その言葉のあとには、
少し困ったような・・・
少し自分を責めているような・・・。

 

 

でも私はいつも思うんですが、

それだけ真剣に、人と仕事に向き合ってきた証です。




 

 

 

私たちは、「意識したもの」に
引っ張られるって性質があります。


つまり、意識すればするほど
そのことが頭から離れなくなるのです。
 

ここで、少しだけ
脳の仕組みのお話をします。


私たちの脳には、
否定語を理解できない
という特徴があります。


 

たとえば、
 

「ミスをしないように」

「トラブルを起こさないように」
 

このような言葉を聞いたとき、

脳が認識しているのは
「しないように」の部分ではないんです。

脳が強くイメージしているのは、

赤色の文字の部分

「ミス」・「トラブル」

 

 

つまり、
避けたいはずのことを
口にすればするほど、


脳はその場面を
はっきりと思い描いてしまいます。

 

講座でもお伝えしていますが、
私たちの行動には、必ず順番があります。
 

 

イメージ → 行動 → 結果

 

一番最初にくるのは、
いつも「イメージ」。

 

だからこそ、

どんなイメージを持っているかが、
その後の行動や結果に
大きく影響していくんです。


と、いうことは・・・


「ミスをしないように」
 

「トラブルを起こさないように」

 

 

そんなイメージを持っていると、

無意識の行動は・・・


・細かく確認してしまう

・口を出しすぎてしまう

・任せたはずなのに、結局自分でやってしまう
 

 

 

この「心配や不安をベースにした関わり」は、
実は循環していきます。

 

少し立ち止まって考えてみてほしいです

 

こちら側が
心配や不安を前提に関わると、

 

間違いなく、

部下側も
心配や不安を前提に仕事をするようになります。


 

「失敗したらどうしよう」

 

「怒られないかな」

 

「またチェックされるかも」

 

 

 

そうなるとどうなるか・・・・


 

ミスが増える。

さらに自信がなくなる。
 

気づかないうちに、
お互いに苦しくなる悪循環が生まれてしまいます。


そして・・・

 

「やっぱり任せられない」


「全然成長していない気がする」

 

そんな状況が出来上がり、


また不安になって、
口を出してしまう…。

 

このループが職場で起きていきますね。

 

 

「じゃあ、どうしたらいいのか?」


 

ここで今日お伝えしたい視点は1つ

 

それは
恐れから選ぶのではなく、信頼(愛)から選ぶということです。
 

 

 

少し抽象的に聞こえるかもしれませんが、
やることはとてもシンプルです。

 

”自分の「前提」を変える”



 

たとえば、
 

 

「ミスしないようにやってね」

を

「安心して進められるように、どうしたらいいかな?」

に変えてみる。

 

「遅れないように」

を

「自分でスケジュールを組めるように」

に変えてみる。

やることは同じでも、
頭の中で描いているイメージが変わるのがわかりますか?


※ここで注意

 

「できるように」と思うことは、
上司が全部やってあげることではありません。


むしろ逆!
 

• ・考えるのを待つ
   

• ・選ぶのを待つ
   

• ・修正するのを待つ
   

これ、簡単じゃないですよね。


「今、言った方がいいんじゃないかな」

「このまま任せて大丈夫かな」

 

きっと・・・不安になります。
 

 

そんな風に感じたら・・・
こんなふうに捉えてみてください

 

 

信じて任せるというのは・・・
 

「今できているか」

「今うまいか」
 

で判断することではありません。
 

これからできるようになる力がある

と、未来を見て関わることです。
 

 

部下には、
自分で考え、修正し、
立ち上がる力があります。

 

その力が育つための余白を、
ほんの少し残してあげる。

 

 

「待つ」という行動が、関係を変えていきます。

 

質問をしたあと、
すぐに答えを言わずに、少し待つ。
 

 

考えている時間を、
「遅い」と切らない。
 

 

失敗しそうなときも、
全部は取り上げない。

 

この「待つ」という行動が、
今までとは違う流れをつくり始めます。





さいごに・・・

 

心配や不安から選ぶと、
心配や不安が増えていきます。

 

信頼から選ぶと、
「任せてよかった」と思える場面が
少しずつ増えていきます。


これは理想論ではなく、

脳の仕組みに沿った、現実的な関わり方です。
 

仕事を任せられないと感じたときは


まず行動を変える前に、
心の前提をひとつ置いてみてください。

 

「この人が、自分で仕事を進められるように」

 

 

そう思った上で、

 

「じゃあ私は、どんな関わりができるだろう?」

 

と自分に問いかけてみる。

 

 

この前提があるだけで、
声のかけ方も、説明の仕方も、
待つ時間の取り方も、少しずつ変わっていきます。

 

 

するとあるとき、ふと気づくんです。

 

「あれ?いつの間にか、任せられる場面が増えてる」

 

そんな瞬間が、きっと来ますよ。


 

任せられない相手を変えようとする前に、
自分の前提を少し変えてみる。

ぜひやってみてください


 

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